申請手続き

宅建業免許の新規申請と保証協会の加入手順

宅建業(宅地建物取引業)を営むには、宅建業法に基づき免許を取得する必要があります。さらに、取引の安全性や消費者保護のため、保証協会への加入も必須条件となっています。この記事では、宅建業免許の新規申請と保証協会への加入手順について詳しく解説していきます。

宅建業免許の概要

宅建業免許は国土交通大臣免許と都道府県知事免許の2種類があります。複数の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣免許、1つの都道府県内に事務所を置く場合は都道府県知事免許を取得します。

免許の有効期間

宅建業免許の有効期間は5年間です。有効期間満了前に更新手続きをする必要があります。

新規免許申請の手順

1.申請書類の準備

宅建業免許申請には以下の書類が必要です(申請先自治体により異なります)

  • 申請書(指定様式あり)
  • 登記簿謄本(法人の場合)
  • 代表者・役員等の身分証明書、登記されていないことの証明書
  • 事務所の賃貸借契約書の写しや使用承諾書、写真など
  • 専任の宅地建物取引士の宅地建物取引士証の写し、顔写真など
  • 財務諸表
  • 納税証明書

2.書類提出

準備した書類を管轄の行政庁(都道府県庁や地方整備局)に提出します。営業所が一つの都道府県内にのみある場合は、都道府県庁、複数の都道府県にまたがる場合は、地方整備局などに申請します。

3.審査・免許交付

書類提出後、審査期間はおよそ1~2ヶ月(申請先自治体による)です。審査に通れば、宅建業免許証が交付されます。

保証協会への加入の必要性

宅建業者は、宅建業法で営業保証金の供託義務がありますが、多額の資金負担が発生するため、多くの業者は保証協会(全国宅地建物取引業保証協会または全日本不動産協会)に加入しています。

保証協会に加入することで営業保証金の供託額が大幅に軽減され、事業開始のハードルが下がります。

保証協会への加入手順

1.保証協会の選択

全国宅地建物取引業保証協会(ハトのマーク)と全日本不動産協会(ウサギのマーク)のいずれかを選びます。それぞれ特徴があるため、加入前に比較検討が必要です。

2.加入申込書類の準備

加入申込書、申請書類の写し、会社の謄本・印鑑証明、代表者の住民票・印鑑証明などの書類が必要となります。

3.入会審査

書類提出後、保証協会による審査があります。事務所調査や代表者面接が行われる場合もあります。

4.入会金・分担金の支払い

審査通過後、入会金や弁済業務保証金分担金を納付します。弁済業務保証金分担金は営業保証金の代わりとなり、供託所に保証協会が代行して納付します。

5.保証協会加入完了

手続き完了後、営業開始が可能となります。事務所には保証協会加入証を掲示する必要があります。

申請・加入後の注意点

宅建業免許取得および保証協会への加入後も以下の点に注意が必要です。

1.専任宅地建物取引士の設置

事務所には最低1名以上の専任宅地建物取引士が必要です。退職などで欠員が生じた場合は速やかに補充し、行政庁に届け出ます。

2.定期的な届出

変更事項があった場合、速やかな届出義務があります。変更届の提出が日通用なのは以下の場合です。

  • 商号または名称が変更になった場合
  • 事務所の所在地が変更になった場合
  • 事務所を新設または廃止した場合
  • 代表者や役員(法人の場合)が変更になった場合
  • 個人事業主が変更になった場合(個人営業から法人営業への移行も含む)
  • 専任の宅地建物取引士が変更になった場合(退職、採用、交代など)
  • 資本金や出資額が変更になった場合
  • 保証協会への加入または脱退があった場合
  • 法人の合併や分割、組織変更があった場合
  • 営業保証金の供託先が変更になった場合

3.法令遵守

宅建業法や関連法規を遵守しないと、指導や処分を受けることがあり、最悪の場合免許取り消しとなります。

まとめ

宅建業免許の新規申請と保証協会の加入手順

  • 宅建業免許は都道府県知事免許または国土交通大臣免許があり、事業所の範囲で区別される。
  • 新規免許申請には指定の書類準備と提出が必要で、約1〜2ヶ月の審査期間がある。
  • 営業保証金の負担を軽減するために保証協会への加入が一般的。
  • 保証協会への加入は、申込書提出、審査、入会金・分担金の納付などの手続きがある。
  • 宅建業免許取得後は専任宅建士の配置、定期的な届出、法令遵守などの義務がある。

-申請手続き